……心配かけたくないとは今でも思うし
わざわざ口にするのも…
って思う時もあるけど

それでも

そっちの方が姉さん達も
いつきさんも安心するって言うから



「ま、その変化は悪くねーな」

「そうかなぁ」

「家に戻んねーでこのまま
いつきんとこにいればいいんじゃねーの?
いつきだって構わねーって言いそうだしよ」


シン君の言葉にぴくっと体が反応する


「…ううん。戻る」


いつきさんの所でお世話になって約3ヶ月

オーナーに確認して貰ったら
大分、あの人も落ち着いたってことだったから

私は家に戻ることにした

五日後にいつきさんの家を出る予定


シン君の言う通り
いつきさんは、いつまでだって
居てくれて構わないって言ってくれた


でも、私は…



……。



「あのね、シン君」

「ん?」

「いつきさんにお礼したいの
何がいいと思う?」

「礼?」


さりげなく話を逸らす
シン君はそれに気づかずに話に乗った