嫌だって気持ちはもちろんある

感覚は鈍っていても
痛みや苦しみだってあるし、感じる

平和な
あったかい環境、家庭
そういうものに憧れだってある


だけど……



「……」



何の関係のない他人を巻き込んでまで
事態の収拾をつけようと思わない


私が我慢すればいいだけ


でも、姉さん達はそれを嫌がる


たびたび、さっきのさゆ姉さんみたいに
自分の家に避難させようとしてくれる



「嬉しいけど…」



でも、姉さん達は皆
事情があってここで働いてる

それは主に金銭面

だから、あんまり
姉さん達の所に厄介になるのは気が引ける



「……私も、姉さん達みたいに
ちゃんと働けたら良かったのに」



最初はそのつもりでここにきた


ここにいることを許してくれたオーナーだけど
それだけは絶体駄目だと断固拒否


年齢に傷だらけの貧相な体
色々、理由はあったんだろうけど
後から姉さん達に聞いた話


オーナーには
別れた女性との間に子供がいて

その子供が私と同い年で

自分の子供と私を重ねたんじゃないかって