猫のTNRのことや、認知症の人を助けた時のこと……ヒサ先輩はまるで別人のように強くなる。
自分のしたいこと、自分のすべきことを理解しているように、とても強い人に変わる。
きっと優也兄ちゃんは、そんなヒサ先輩に惹かれたのかもしれない。
だけど……ヒサ先輩はどうしてそこまで優也兄ちゃんを想えるのか……。
会えなくなって2年、優也兄ちゃんと過ごしたのは、たった1年だ。
その1年で、そこまで人を愛することが出来るのか!?
だからつい、『たった1年』なんて言葉がポロッと出てしまったんだ。
きっとヒサ先輩は傷ついたよな……。
ヒサ先輩と話すと、いつも自分の言葉に後悔ばかりしてしまう。
だけど……何度考えても、今の俺にはそんな短い間に一生分もの愛を捧げるような想いが生まれるなんて理解出来ないんだ。