「はぁ……ねみ……」
いろんなことを考え過ぎたせいで、ぜんぜん眠れなかった。
そんなんだから、今朝は寝坊もせず早めの登校。
梅雨の雨は普通の雨より嫌いだ。
夏前のジメジメ感と、よくわからない肌寒さ。
このはっきりしない感覚にイライラが募る。
いつから降っていたのかわからない小雨の朝、寝不足と相まって気分はガタ落ちだった。
俺が思っていた優也兄ちゃんの愛する人は、写真で見たような綺麗な人で……そうであってほしいと思っていた
でも、本当はぜんぜん違っていた。
ヒサ先輩は可愛い人だとは思う。
でも優也兄ちゃんの彼女のイメージとはぜんぜん違った。