大騒ぎする女子たちを止めようと、先生も大慌てになっている。
それに動揺することなくステージに上がると、広い講堂内が静まり返った。
……すごい人数だな……。
生徒だけじゃない、親や来賓、大きい講堂の中にギッシリと集められた人々を見て、一瞬足がすくんだ。
「……」
こんな大勢を前にして優也兄ちゃんは、愛する人に告白したというのか……。
ゴクリ……。
どんどん口が乾燥していくのが分かった。
俺はずっと、優也兄ちゃんに憧れていたんだ。
優也兄ちゃんみたいになりたいと、そう思っていた。
だからこの学校に入学した。
「新入生代表、明日実 海です。本日は、私達のためにこのような素晴らしい入学式を開いていただき、ありがとうございました――――」
優也兄ちゃんがこの学校でどんな風に過ごし、生きてきたのか……それが知りたくて――――。