あの時、心が砕けそうになった――――。


優也センパイのお母さんから送られてきた手紙、その中に入っていた小さな封筒を開けると、そこに入っていたものは、ペアリングの片方だった。




優也センパイが卒業した後、家族で引っ越しをしたと聞いた。

その後、優也センパイのお母さんから送られてきた手紙の中に、1枚の写真。

優也センパイが写っていたその左手に、ペアリングの片方がはめられていた。

優也センパイは離れてしまっても指輪を大切にしてくれている……そう思うだけで幸せだった。

優也センパイとのペアリング。

それが私の宝物で、大学受験に向けてのお守りだと思っていた。



そのリングを海で無くしてしまい落ち込んでいた私のもとに、優也センパイがはめているはずのリングが送られてきた。



それは――――。