その日は朝から凍えるような寒さだった。 空はどんよりと暗く、今にも雪が降りそうに重くグレーがかっていた。 その空をみつめていると、どうしてか居ても立っても居られず、俺は家を飛び出していた。 バイクにまたがり向かったのは、ヒサ先輩の家だった。 家を出たばかりのヒサ先輩を追うように、そのまま駅へ向かった。 なんでそう思ったのか、自分でもわからない。 ただの直感というか、行かなければいけないような衝動にかられた。