イルミネーションが輝く12月。

めったに雪の降らないこの街に、雪が降ると優也センパイのことを思い出す。

優也センパイの病気のことを知ったのも、こんな寒い時期だった。


急に学校を休むようになって、まるで私を避けているような優也センパイに悲しくて……。


優也センパイとすれ違って、切ないクリスマスだった。


その後だったっけ……優也センパイの病気のことを知ったのは……。




そして、センパイのことを想い、アルツハイマー病をもっと知るために勉強していこうと決意した。



その一歩を踏み出すための大学受験が目前に迫っていた。




『ヒサ大丈夫? 少しは息抜きしなよ』


『無理して体壊さないでよー』


奈々ちゃんとカオに心配させちゃっているけど、もうひと踏ん張りと自分に言い聞かせ勉強に励んでいた。



卒業してからのこと、アルツハイマー病を勉強して、いつかアルツハイマー病を治せるまでに研究が進めば……。

将来のことに期待をし、夢を膨らませていた。


今は、そのことだけに集中していきたい……そんな思いが増していた。