「……父さんがT学園の願書なんて取り寄せなければな……」 こんな自分に気付くことはなかった。 「なんのことだ?」 俺がつぶやいた言葉に父さんが反応した。 「え?」 「T学園の願書がどうのって」 「父さんがT学園の願書を取り寄せたりしなければ、俺はT学園に入学することはなかったのかなって」 「父さんそんなことしてないぞ」 「え!?」 驚いてソファから飛び起きる。