T学園のこの学園祭を経験した者はみんな口にする。

『夢のような一日だった』と。


季節は秋、ハロウィンの季節、でもみんなは『真夏の夜の夢』そう例える。

本当に経験してみなければ分からない気持ちだと、初めて感じた。

学園祭が終わって数日が経っているというのに、この余韻……。

目を瞑れば、ヒサ先輩の姿ばかりを思い出す――――。





「明日実くん聞いてる!?」


「は!? あ、聞いてます!」


「……」


声をかけてきた生徒会長の冷たい目……。


そして『うそつけ』と言いたげな視線を向ける生徒会メンバーの姿。




あ……いけね……生徒会中だった……。