「何よ海、生徒会なんて辞めたいって始めはそう言ってたじゃない! それなのに今じゃどっぷり浸かってるじゃないよ!」
「んーまあなー」
ヒサ先輩の最後の学園祭だ。
それに先輩が考えたプロムを、絶対に成功させたい。
きっとこの思いは、ヒサ先輩が優也兄ちゃんに思ったことと同じなんだろうな……。
俺だってヒサ先輩のために、プロムを成功させる!
「……海、なんだか別人みたい……」
「え?」
「中学の時はそんなんじゃなかった。学校行事に夢中になるような人じゃなかったのに」
「……」
「それは……なんでよ?」
「……」
「……」
椿の質問に答えられず無言が続いた。
気が強くて勘のいい椿が「なんで?」なんて聞いてくるなんて、それはもう理由はわかってるってことだ。
椿のことも、このままじゃいけない……よな。