「つまり、障害者にも健常者にも不人気だったんですね」

詩織がメモを取りながら言う。杉浦先生は頷き、また話し出した。

「メイスは能力も体格も違う様々な人のニーズに応えなければと思い、1985年にユニバーサルデザインを発表したんだ」

バリアがあるということを前提として考えるのではなく、元からバリアを作らないという考え方だと杉浦先生は話していた。

夕日が照らす図書室で、私たちは福祉を勉強し続ける。

また私の中に、新しい知識が増えた。