そしてベッドに座る私の髪を耳にかけると、



「……今までのじゃ宮岡さんには全然足りなかった?」



こんな距離で妖艶な微笑を浮かべる君は、なんてずるい。



「……っ」


「宮岡さん、欲張りだね」



私の目線までしゃがみこむと、琥珀色の瞳は私を射抜いて、



「……じゃあ、これからもっと頑張らせて」



フレグランスの香りが近づいて、


ーーちゅ。


頬に優しく触れる唇。



「……っな?!」



バシッと頬に手を貼り付けた。



「反応かわいー」



色っぽく唇を指で触れて笑っている朝比奈くんは、なんでそんな自然体なの?



がくっと俯く。



どうしてこういうことを恥じらいなく、やってのけるんだ。



……絶対に、この動揺を見せるもんか……。