蒸し暑い空気で満たされたここに、あと10分でもいたら私たちの命はないと思う。
「その絶好の告白スポットがどこなのか、宮岡さんわかる?」
暗闇で、体操服の首元をぱたぱたと扇ぎながら、マイペースに私に問う。
「わかんないし、今はそんなのどうでもいいんだけど……」
呆れを越えた私に、彼は言う。
「正解はね。暗いところ」
――ギシ。
突如近づいた気配。
倉庫の壁に両手をついて、私を包囲する。
暗闇に溶け込む朝比奈くんと目が合う至近距離。
「……っ」
射るような上目遣い。
からからに乾いているはずの喉がゴクっと鳴った。
「……宮岡さん、好き」