なのにね、


「ほら、さっさとパシリ終わらせに行こーぜ」



って、そんなこというんだよ?


でも警戒状態の私はしっかりと半信半疑。


「まさか……本当に手伝ってくれるの?」


「飽きたら帰るけどねー」


「……。本当にいい加減なひと……」


「宮岡さん、ちょっとがっかりしすぎ」


「……っ、がっかりなんかしてないし」



「強がんなくていいよ。俺の前だけは」



「……ばか」


もう呆れた。呆れたから!


真っ赤な顔でふんっと不機嫌な顔をつくれば、


「宮岡さんって、可愛いよね」


……っ、すぐそうやって人をバカにする。




スクールバックの肩ひもを肩の上で握って、私を振り返る朝比奈くんは表情を柔らげた。



「俺、地球最後の日は宮岡さんと逃避行でもしよっかな」



なんとも軽いジョークを私は小さく繰り返す。


「……逃避行……?」



すると、朝比奈くんはいたずらっぽく目を細めた。



「だから、地球滅亡までなかよくしてね」