「……ばかっ、離して……!」 突き飛ばすように引きはがした。 勢いあまって黒板に打ち付けた後ろ頭がじんじんする。 「うわ痛そ」 動揺全開の私の顔がおもしろかったのか、朝比奈くんはくすくすと肩を揺らしている。 さすがに、今のはやりすぎでしょう……? 動揺を隠せず目を見開く私、どってことなく笑う彼。 遊ぶ彼と、遊ばれる私の図が、絶望的なほど見事にできあかってる。