僕を壊したのは君だから。


「宮岡さんって、金魚よりすくいようのない馬鹿だと思うけど」



好き放題言いながら、肩下まで伸びた私の毛先を指にからめて。



「……俺はちょっとすくってみたいかも」



かすかに上がった口角から、慌てて目をそらした。


遅れて頬が熱くなる。



……べつに。


私は救いようのない馬鹿じゃないし、救われなきゃいけないほど不幸な目にあっているわけでもないよ。




でも何一つ声にならない。


心臓が高鳴りすぎると、フリーズしてしまう病に最近かかったみたい。