僕を壊したのは君だから。


「きゃあああああああ!」


「……っ! 何突然叫んでんのよ!?」


「あ、ごめ……。思い出してつい……」


「たく、宮岡さんって……変な人」



ふっと、香田さんの赤い唇があきれっぽく息を吐いた。



「でも、宮岡さん、きのうみたいに岬の前で距離感を見失うのは気を付けた方がいいよ」


「え……?」


「岬は……どんなに仲いい相手でも、無理って思ったら簡単に人を手放せる人だから」



「……何、それ?」



「今までの彼女もそうだしね。好きで仲良くしてたはずなのに、突然スパッと線を引いたりもする。そうされた子、何人もみたことある」




そんなの……朝比奈くんに限って、信じられないけど。


でも、香田さんが嘘をついているようにも見えないんだ。



ゴクリと生唾をのみこんだ。



「岬の心に入り込もうなんて論外っていうか……。適度な距離感で行かないと、好かれたのと同じ分だけ、嫌われるよ?」



香田さんは、テーブルに頬杖をつきながら、私をじっと見る。



「それでいて岬は、表面上相手にそれを気づかせない。だってもともと、誰にも心なんか開かないから」