ベッドですやすやと寝息を立てている宮岡さんを静かに見下ろした。




『……朝比奈くんの心の中が、私は知りたい』



……心の中。ねぇ。



「……知ったら宮岡さん、俺から離れちゃうくせに」



ピンク色の頬を指先で撫でる。



ぜんぜん起きる気配もなく、ただ呼吸を繰り返す無防備な寝顔を見つめる。



……愛しい。


この気持ちが本物に近づいて、どんどん膨らむとすれば……。俺は。



胸の奥がきゅっと痛んだ。




「……宮岡さんは、俺のこと蹴散らすのが仕事でしょ」



きみからは、……本物の愛情みたいなもの、欲しくないみたいだ。



確かに、宮岡さんのそばにいたいし、お気に入りだよ。



もし俺を好きになってくれるなら、付き合っちゃおうって、そんな覚悟もあったはずなんだけどね。



でも……今は、あと一歩先は進みたくないって思ってしまう。



そう思うのは、宮岡さんに以前よりずっと、惹かれてしまっているからなんだろう。




「……このままでいようよ」



お願いだから。