それがゆっくりと離れて。
頭が後ろに引っ張られるように、重心が後ろへと下がっていく。
「……っ、宮岡さん!」
片手を伸ばした彼は、後ろに倒れていく私の頭を、床に打ち付ける間一髪でうけとめて。
至近距離。
赤く頬を火照らす彼に一瞬ピントが合って、すぐにぼやけていく。
「……っ、」
「ありがと……」
ああまた、顔を背けられてしまった。
もっと見ていたかったのに。
床にそっと頭を下ろされて、ひんやりとした心地が気持ちいい。
「朝比奈くんの心の中が……、私は知りたい……」
なんだか眠たくてしかたなくて、我慢しきれず瞼をおろした。