僕を壊したのは君だから。


ぼんやりと映る彼の琥珀の瞳を、まっすぐ見つめて伝える。



「私付き合いたいなんて微塵も思わないけど。……でも、近くにいたいって、いつも思ってる」




頭の中、霧が立ち込めてるように、ぼーっとしてきた。



「……え?」


ごくりと、朝比奈くんの喉ぼとけが上下する。



「朝比奈くんって存在は……恋愛だとかそんなちっぽけなもの簡単に凌駕するんだよ」



視界が薄らいでいく。



「……宮、岡さん……?」


「朝比奈くんっていうのは……存在が、才能だから……」


「はぁ……?」



頭と瞼が、すごく重たい。


トン、と朝比奈くんの胸に倒れ込んだ。



「……私、朝比奈くんになりたいってずっと思ってた」


「な……何言ってんの? 宮岡さん……しっかりして」


――ドクドクドクドク


硬い胸にはりつけている耳にはいってくるこの音。


とんでもなく速いこの音は、私の心音なんだろうか。