僕を壊したのは君だから。

缶をカツンと合わせて、ジュースを口に含む。


このミックスジュース、あんまりおいしくない。


そう言うわけにもいかず、とりあえず飲むのをやめて、ふと隣に座る彼を見る。



黙っているときの無表情は息をのむほど綺麗だ。


沈黙がなぜか続いている今現在、気づけば心拍数が上がりまくっている。


緊張を紛らわせたくて、ごくごくごくと、ジュースを一気に喉に流し込む。


ちら、と確認する横顔の美しい目鼻立ち。


……このひと、造形美がすぎる。



「宮岡さんって、俺のことちゃんと好きになるのかな……」


喋りだすと本当に意味不明だけど。


そういうのって、普通本人の前では言わないものでしょ……。


”なりません!”と答えようと開けかけた唇を、きゅっと閉じて考え直す。


逆に、朝比奈くんだったら、なんて返すんだろう。




――”朝比奈くんって、わたしのことちゃんと好きになるのかな……”


――”さーね。頑張って落としてみたら?”


パッと浮かんだセリフを、口に出してみたんだ。



「”さーね、頑張って落としてみたら……”」


ポカポカする。


頭がぼーっとする。


なんかすごいこと言ってるのに、不思議と恥ずかしくない。



「……今、宮岡さんなんて言った?」



きょとんとした朝比奈くんを見たら、笑いがこみ上げてきた。


「あはっ、初めて見る顔してる……」



ぶちゅ、とやたらすべすべする彼の頬を両手でわし掴み、頬が勝手に緩んで、口まで勝手に動く。



「朝比奈くんも戸惑うんだー」


「ど……どうした、宮岡さん……?」