はじめて会った時からずっと、私は朝比奈くんに惹かれ続けている。それは事実。
憧れとか恋愛とかそういうものじゃなくて、朝比奈岬という人物に近づきたいって思ってしまうくらい、彼自身に無限の興味がある。
でも朝比奈くんにとっては、きっとただのクラスメイトのひとりなんだろうな。
「朝比奈くんって……本当に掴めないよね」
「ほんと? ちゃんと掴んでよ」
ふっと見せる笑顔は、人懐こい。
でも、言ってることはのらりくらり、いつも適当。
なにを考えているのか、ほんとわかんない。
「のど乾いたよね。なんか飲も」
そう言って、備え付けの冷蔵庫から缶ジュースを取り出したかと思えば、彼は急にわたしの手元めがけて投げてきた。
「ひゃっ! もう……! 一言いってから投げてよ……!」
「宮岡さん、ナイスキャッチー」
目を細めて笑う。
こういうところ。



