僕を壊したのは君だから。

「で、みんな勘違いしないでほしいんだけど」


こんな冷や汗だらだらで焦っている私の隣で、マイペースに声を放つのが朝比奈くんだ。


「宮岡さんはみんなの癒し系パシリをそろそろ卒業するんだって」


へぇ……初耳だ。私のことなのに私が初耳だ。そもそも癒し系パシリって何だ。


朝比奈くんはちょっとふざけながら私を援護している気かもしれないけど、また勝手なこと言って、と反論しようとしたら「だからー」と緩い声が聞こえてくる。




「パシリとかくだんねーことすんなって」



……また、あの目だ。
ヒヤッとしてしまうような、無機質な目。


その瞬間どかっと重みが背中に乗りかかった。


「ひゃ!」


後ろから寄りかかるように両腕を回してきた朝比奈くん。


フレグランスの香り、耳もとで「ね、宮岡さん」なんて、甘い声。


——ドクドクドクドク。


あ……気絶、しそう。


いやいや、しっかり。冷静な、対処……っ!!!!!