時計の針が重なる前に



「そういえば、プレゼントの件ですが来週あたりには渡せそうです。」

「ほんとうですか!?」

花梨は嬉しさで目が輝いた。

「はい。だから、あの下手くそなガラスの靴は捨ててください」

「えー…上手だと思いますよ。それに、もう部屋に飾ってあるので捨てません」

花梨にとってはあのガラスの靴も冬哉からのプレゼントのようなものだった。だから、捨てる気はなかった。


「んー…恥ずかしいじゃないですか。自分がガラスの靴を頼まれたわけでもなく作ったなんて。」

頭をポリポリかきながら恥ずかしそうに言った。

年上なのに子供のように見える冬哉に花梨はフフッと笑みをもらした。

「どうかしました?」

「いえ、いつもは大人の男の人なのに、今はかわいいなって…」


かわいい、という言葉に冬哉は顔をしかめる。


「かわいいって言われても嬉しくありません」

「ごめんなさい。でも、ほんとにそう思っちゃって」

すねる冬哉になおも笑みがこぼれた。

笑みを浮かべる花梨を見ながら冬哉の顔にも自然と笑顔がでてきた。