時計の針が重なる前に



「とう…や…さん」

「はぁ?君誰?俺、この子とお話ししてんの。邪魔しないでくれる?」


「彼女は俺の連れです。だから、他のかたをあたってくれませんか?」


つっかかってくる男にたいし冬哉は冷静に対応する。

しばらく、二人の間で沈黙が流れたが男の方が諦め、舌打ちしながら去っていった。

「大丈夫でしたか?」


花梨はうなづく。


「ありがとうございます…」


男につかまれた手首が赤くなっていた。


「驚きました。花梨さんが来ているとは思っていなくて」


「父の付き添いで来たんです。」


冬哉が納得したようにうなづいた。


そのまま、二人は会場の裏手にある庭にでた。

少しでたところにベンチがあったのでどちらからともなく座った。