時計の針が重なる前に



「なんか、仲がいいですね」


じゃれあう二人を花梨は羨ましそうに見ていた。

花梨の言葉に二人はすぐさま否定した。

「仲良くありませんよ」

「仲良くないです!お兄ちゃん、私にひどいから!」


「でも、私は兄弟いないので、喧嘩もしたことないし、二人を見てるとなんかほほえましいなっていうか、羨ましいっていうか…」

二人の勢いに驚き、慌てて言い訳まがいのことを言った。


「愛蘭、花梨さんをいじめないでくださいよ」

「いじめてない!花梨さん、だいすきだもん!だから、お兄ちゃんの毒牙から守んなきゃ!」

またもや、二人は言いあいをはじめる。

「すまんな、お嬢さん。二人のこれはいつものことだ。気にせんでくれ。」

どうしたらよいか困っている花梨に叔父さんが申し訳なさそうに言った。


「あ、いえ…」

「でも、冬哉が女の子を連れてくるなんてはじめてよー。今までそんな気配一切ないからちょっと心配してたのよ。」


お母さんが嬉しそうに花梨に言った。