時計の針が重なる前に


「えー、私花梨さんとおしゃべりしたいー!」

愛蘭が口を尖らせる。

「お店の用事が終わったらお昼でも食べていかない?私もお話聞きたいわ」

お母さんが花梨の方を見て微笑んだ。

「あ、お母さんいいこと言う!賛成!」

冬哉と花梨を無視して瞬く間に決定した。

「ほんとうに、すいません。俺の家族こうなったらとまらないんです…」

申し訳なさそうに謝る。

「大丈夫ですよ。逆に迷惑かけないかなって…」

「あそこまで強引な人達だから多少迷惑かけたところでなんら問題ないですよ。」

逆に迷惑かけまくっていいよぐらいの感じでしゃあしゃあと言ってのけた。

その後、お母さんと愛蘭はお昼の準備をするといって奥に引っ込んでいった。

静かになった空間で、彼女じゃないという冬哉の言葉に何故かひっかかりを覚えているのを感じた。