時計の針が重なる前に


「あ、お母さん!こっちのきれいなお姉さん!でも、今はまだ彼女じゃないらしいよ」

“今はまだ”を強調しながら愛蘭が言った。

「まあ、可愛い子ねぇ。どうやって、捕まえたの?」

「まさか、冬哉に彼女ができるとはなぁ」

興味津々のお母さんとしみじみとしている叔父さんに冬哉はめんどくさいことになったと言いたそうな顔をうかべた。

「花梨さん、すいません。まさか、家族までいるとは思わなくて…」

呆然としている花梨に謝る。

「あ、いえ、あの、だ、大丈夫です!」

緊張のあまり声が裏返ってしまった。

冬哉はそんな花梨をみて優しく微笑み

「叔父さん、今日はお店の方に用があってきたんです。」

「ほぉ、ガラス細工のほうか珍しいなぁ」