花梨が漫画を買って3人も本屋をあとにすると、
「で、あいつだれ?」
誠也が同じような質問をしてきた。
「だから…」
「上崎 冬哉!モデルよ!ひゃー実物はかっこいいわぁ。」
友人と言おうとした花梨をさえぎるかのように優菜が興奮めいた声で答えた。
「モデル?どうやって知り合うんだよ」
「この前のパーティで」
「いやぁ、ほんとかっこいいのよねぇ。なんてったって花梨の王子様候補なんだから!」
優菜の言葉に誠也の顔が暗くなる。
「俺、帰るわ……」
と言って帰ってしまった。
花梨はなぜそうなったのか訳もわからず優菜に聞いたが
「そのうちわかる」
というだけで、冬哉に会えた感動にひたすらは浸っていた。