時計の針が重なる前に


「彼氏はいないよ」

そんな誠也に驚きながらも答えた。

しかし、誠也は難しい顔をして黙りこくった。そんな様子を呆れながら優菜は見ていた。

三人の間にどうしようもない沈黙が流れる。

気まずい雰囲気がつらかったのか花梨がお手洗いと言って席を外した。

「で、あんたはどうすんの?」

花梨がトイレに行ったのを見計らって優菜は言った。

「どうすればいいのか…だって、今までそんな相手いなかったじゃん…」

「私は告白もできないチキンのあんたじゃないほうとうまくいくのを願ってるけど」

うじうじしている誠也に優菜はそう言った。