時計の針が重なる前に



夏も盛りの8月のある日、花梨は課題に取り組むためカフェに来ていた。

「あっちぃ、なーんでこんな暑い季節があるんだよ!」

「そういうあんたが暑苦しい!黙ってて」

一人ではなく、優菜と誠也の3人だ。

「花梨はそのあと、なにかあった?」

冬哉と食事したあとすぐに夏休みに入ったため、優菜と会うのもその日以来だった。

「1回だけ、お茶したけど、特になんもないかな」

そんな二人の会話に今まで外野にいた誠也が食いついてきた。

「え?なに?神宮寺、彼氏できたの!?」

「うるさい、あんたは関係ない」

この二人は仲がいいのか悪いのかわからないミニケンカをよくするのだ。

しかし、今回は優菜の言葉が聞こえていないかのように花梨に聞いてきたのだ。