「連絡先を交換したぁぁぁぁあ!?」
本来なら静かにお昼の休息を楽しみおしゃべりに花を咲かせるカフェでとんでもない大声をだしたのは優菜だった。
「ちょ、ちょ、優菜、声がでかい!」
慌てて優菜の口を手でおおい、周りを見渡した。幸いほとんどお客さんがいなかった。
「なにその急展開!?しかも相手が……」
「あぁぁ!」
優菜が冬哉の名前を言いそうになるのを慌てて止める。相手は芸能人だ。ばれたら即ワイドショーだ。
「いやぁ、驚いたよ。いよいよ花梨の王子さまが登場かぁ」
カラカラとコップの中の氷をストローで遊びながらしみじみとつぶやく。