時計の針が重なる前に



「ロマンチスト!?どこがよ?」

「例えば、シンデレラのような恋とか憧れてるでしょ?」

何も言い返せなかった。花梨は自分の容姿がイケメンにみそめられるような美人ではなく普通の顔だと認識している。だが、幼い頃母が寝る前によく読み聞かせてくれたシンデレラが大のお気に入りでどうしてもそういう恋に憧れてしまうのだ。


「でも、そんなの現実にないこともわかってるよ。舞踏会も、ガラスの靴もフェアリーゴッドマザーだってすべておとぎ話なんだもん!でも、憧れるじゃない?」

「あら!舞踏会なら明日あるじゃない!」

優菜はいいことでも思い付いたかのようにめ目を輝かせた。

「明日来る人たちの中で花梨の王子さまがいるかも~!」


キャーと当事者でない花梨がはしゃぎだす。