時計の針が重なる前に



みんなが買い出しにいってる間優菜と花梨でホールを掃除することになった。ホールは玄関から見てリビングと反対側にある。

「うひゃー、やっぱいつ見てもすごいわ。こんな中世のダンスパーティ会場みたいなのがあるとか、大御所タレントは違うねぇ」

優菜は目を輝かせながら周りを見渡す。
このホールは父が母が生きていた時に中世風の空間が好きと言ったらその次の誕生日にプレゼントとして作らせたらしい。

二人は箒をもち床をはわきはじめた。

「ねぇ、花梨はどうしてこの家を出ないの?」

沈黙が苦手な優菜はそう尋ねてきた。
優菜の質問にすぐには答えられなかった。たしかに大学生だから家を出て生活していくこともできる。嫌いな人と住むぐらいなら家を出たほうがいいというのは花梨にもわかる。

「んー……今までも家事は全部していたからただ人数が増えたって感じだしねぇ。あの人達の八つ当たりはひどいけどそれなりに仕返ししてるし笑」

例えば、賞味期限を過ぎてるものを優先的に食べさせるとか?っと笑いながら花梨は答えた。