時計の針が重なる前に



子猫のもとへ急いで戻り、制服が汚れるのも構わずしゃがみこんでトレーにミルクを注いで与えた。


「拾ってあげたいけど絶対飼うの許してもらえないだろうし、どうしよ……ここにいたら弱ってしまう…」


どうしようか考えていると後ろから声をかけられた。

「捨て猫ですか…?」

振り替えるとそこにはスーツ姿の男の人が立ってた。見た感じ二十歳ぐらいに見えた。暗くて顔はよく見えないがスッとした顎のラインから美形なのは容易に想像がついた。