秋〜本もいいけど、俺のことも見て〜

何となくスマホの電源をつけたけど、特にすることはない。とりあえず、「面白い本」と検索してみる。すると、たくさんの本が の名前が出てきた。

あたしは、読書も絵を描くのと同じくらい好きだ。読書をしている時に、描きたいモチーフが浮かぶこともたくさんある。本という存在は、絵を描く上でとても必要なもの。

「あ、これ面白そう……」

あたしの目に止まったのは、新人作家の書いた小説だった。切ない恋愛小説として書店で見かけたことがあるかもしれない。

本のあらすじやレビューを見ていると、その本を手に取りたくなってきた。何より、描かれている表紙が何度見ても飽きないほど綺麗だ。

「よし!午後から買いに行こう!!」

あたしがそう決意した刹那、「できたよ〜」と秋斗に声をかけられる。秋斗が作ってくれたのは、おいしそうなドライカレーだった。

「わあ、おいしそう!!」

あたしがニコニコしながら食べると、秋斗も幸せそうな表情になってくれて、ますますご飯がおいしくなる。