程度の低い喧嘩をしてお腹抱えて笑い合う。
涼子さんも呆れ顔。
この日出張で居なかった親父に後で耳に入りこっぴどく説教されるハメになっても、この緩い関係で居たいと思うよ。




好きなのは好きで割りきって
いつかは弟としてじゃなく男として見てくれたら嬉しいけど、それはずっと先の気がするし……もしかしたら叶わないかも知れない。




でも変に期待して心がぐちゃぐちゃになるくらいなら今の関係を望む。
それが2人が一番自然体で居れる気がするんだ。




「ヒロ、ひどい〜!」って半泣きな顔も。




「ヒロ、このアイス好きでしょ」って悪戯っぽい顔も。




「おやすみ〜」って眠そうな顔も。




「おはよう!」って太陽みたいな笑顔も。




全部全部、俺の大切な奈那だから。
一生守りたいから。
ドキドキして振り回されても全部奈那だから許す。
だから当分は俺だけの奈那で想わせてよ。




俺だけが知ってる奈那で居て。




まだ他の誰かのモノにはならないで。




この手に残る余韻はなかなか消えそうにないから………