触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜





お手洗いに行った隙にふと立ち寄ったアクセサリーショップ。
1人で初めて入るからドキドキしたけど一目でピンときた。
今の奈那に似合いそうなピアス。
手に取って見ていると「何見てるの?」と隣に戻って来た。




耳元に当ててみる。
「どう?似合う?」と鏡で確認してる。
可愛いから何でも似合うんだろうけど揺れるピアスだから大人っぽい。




「うん、似合う」




「可愛いね?」




「買ってあげるよ」




「えっ?いいよ〜」




「ううん、俺が買ってあげたいの」




「そんなつもりなかったのに…」




「奈那へのクリスマスプレゼント」




渋々OKしてもらいました。
買ってもらった金額には全然敵いっこないけどせめてものお返し。
嬉しそうに受け取ってくれて俺も嬉しい。




休憩に入ったカフェ。
注文した後、テーブル席を隣同士で座る。




「これ、今つけていい?」とピアスの袋を目の前に出す。
今つけてくれるんだ、お願いする姿もキュンとくる。
ニヤニヤしてしまうじゃんか。





鏡もなく器用に勘だけでつけれるもんなの?




「左側お願いしていい?」




「え?あ……うん」




ひゃあ…!どうすんだ!?
耳に触れるよな!?
穴に真っ直ぐ通す。
ヤベ……指が震える。
つーかこれ………相当イチャついてないか!?




周りからもチラチラ視線を感じてる。
初めてだから少し手こずる俺を、何も言わずにニコニコしながら待ってくれてるとか天使かよ。




何とかつけ終わり手鏡で確認してる。
ん?




「鏡あるじゃん…!」




「え、そうだよ?でもつけてもらった方が嬉しいもん」




嬉しいもん……嬉しいもん……嬉しいもん……
可愛過ぎかっ……!!