触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜





その後、メイクだったり間近に控える受験だったり他愛もないことを話してた。
雑誌も読み終わって携帯ゲームに移行。
コーヒーを口に含んだ途端、再び俺の話になって危うく吹き出しかけた。




「でもさ、弟くんに彼女出来たらどうなるの〜?」




いきなりぶっ込んでくるな、まどかさんも。




「もうすでに候補な子が居て〜」




え、もしかして桜井さんだと思ってる?
違うから!!
でも勘違いされても仕方ないことしてるよな。
嗚呼、伝わらないのがもどかしい…!




「うわ、そうなんだ?で、どうなの?そういうのすっごい嫌とか?」




「それがめちゃくちゃ可愛い子で…」




「お、ついに認める!?」




認めるも何もそこまで進展してないから…!
あ………キスはしてしまったけども。
うわ〜思い出してしまった。
待合室で何一人真っ赤になってんだよ。




「認め……なきゃダメだよねぇ」




「お、じゃあ今日でブラコン卒業だ?」




「あ、ダメ。今日デートなの、ヒロと」




「あちゃ〜」




卒業と言われなくてホッとしてる。
俺の方が相当ヤバいぞ。
食い気味で否定してくれたことがこんなに嬉しいなんてな。
まだまだ密かに想ってたいから。
奈那以上の人に出逢えてないのが事実なわけだし。




俺の心全部持っていくのは奈那しか居ないんだもんなぁ。
ブラコンでもシスコンでも何とでも言え。
つーか、本当の姉弟じゃねぇから。
そこは声を大にして言いたい。
だから惹かれても仕方ないだろ?って……




「受験前の息抜きなんだ〜」




「そうなんだ〜?でも見た目は姉弟に見えないから本当のカップルみたいだよ?2人とも似てないよね?」




「そう?よく仕草とか似てるって言われるけど」




「あ〜そういやよく同じこと言ってる!」




「え、そうなの?」




「うんうん、お互いブラコンシスコンだ〜って」




「アハハハ…!ヤバ、ウケる…!」