触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜





「そんな近くに居られたら移したくなる…」




クスッて笑う瞳は穏やかだ。




「なんてね……ごめん、ポカリ取って」




ベット脇の小さな台の上に置いてあるポカリ。
伸ばした手を掴んで引いたなら冗談じゃなくなる…?
いつだってそうだ。
きっかけは奈那の方からなんだ。




再び見つめ合って話を戻せば
続きを教えてくれる?
その言葉の意味を……
怖くて聞けなかった俺に教えてくれよ。




「移せばいいじゃん……それで楽になるなら俺がその風邪もらう」




ついに身体を起こしベットに座る奈那。
熱っぽくしんどそう。
細い腕を支えてあげる。
ポカリを渡すとゴクゴク喉に滑らせていく。
それすら色っぽく見えて、熱のある奈那は色んな意味でヤバい。




「よし、お望み通り移してやる……逃げるなら今だよ?」




マスクを下げたままのポカリで濡れた唇。
熱っぽい視線にずっとやられてる。
時折ふらつくから目逸らせないし。
大胆なのは……熱のせい?




「逃げないよ」




そう言ったらストンと俺の膝の中に落ちてきた。
ヤバい状況で見上げられて顔がゆっくり近付いてくる。




うわ、本当に……!?
やっぱりキスなのか!?
奈那も同じ気持ちだってこと!?
細い指先が俺の頬を包む。
ドキドキしながら目を閉じた。




そして触れたのは………




チュッとマスク越しのキス。




えっ!?




一歩手前でサッとマスクを上げた奈那。
パチクリと目を丸くする俺に
「本当に移すわけないだろ、バーカ」だって。
その後すぐ胸に頭を預けてきた。
ほら、無理するから。




髪を撫でながら必死に冷静さを取り戻そうとしていた。
そしたら弱々しい声が下から聞こえてくる。