「ううん……心配してくれてすっ飛んで帰って来てくれたら…私こそ謝ろうと思って密かに賭けてた、意地悪でしょ?」
胸がキュゥン…と鳴った。
横になって身体ごとこっちに向いてくれる。
再び俺の手の上に重なる手。
指先と親指が絡む。
「メール来ないだけですっ飛んで帰って来ちゃったじゃん……」
「だね?単純過ぎる…」
「笑うなよ」
力なく笑ったかと思えば真っすぐ俺を見据えて。
「ヒロ……私こそごめんね?図書室でのこと……調子に乗り過ぎた」
奈那の方から核心をついてきてドキッとした。
伝わっていたことにホッとする反面、伝わったのならば奈那に対する想いがバレたんだと冷や汗をかく。
「でも…ああいうの私も初めてでドキドキしたんだよ…?」
「慣れてたくせに…」
「んなわけないでしょ……伝わんなかったかなぁ?心臓バクバクしてたんだけど」
「俺がだよ…!」
何だかお互い必死だったってことは伝わってきて二人して笑った。
やっぱり奈那の笑顔は安心する。
笑い合えることがどれだけ幸せかって思い知った。
俺にはまだまだ奈那が必要なんだってこと。
「起きてたら辛いだろ?寝てなよ」
「ん………そうしたいのは山々だけど」
意味深な沈黙。
ジーッと見つめられたら動けないってば。
ん?ってアイコンタクト。
「……ヒロがそんな近くに居たら寝れないんだけど」
マスク姿でもあの上目遣いは健在だ。
しかも至近距離。
心拍数爆上がりでいつもなら離れるけど今はまだ傍に居たい。
「ここに居ちゃダメ…?」
頭を上げ少しだけ身体を起こす。
引き下がらない俺に人差し指でチョンと唇に触れてきた。

