ぐうの音も出ない。
ここで認めてしまっていいのか…?
今までの苦労とか……努力とか……
一瞬で泡になるぞ?
“好きなんでしょ?”
「隠したくても……どうも最近それが無理みたいで……苦しいです」
俺は………奈那が好きだ……………
ペチッ!と急にデコピンを食らう。
「イテッ!」
「堂々とこの私を振るなんていい度胸してんじゃん」
「いや、俺は冗談としか…」
「で?私を振ってまで好きで好きで仕方ないのがひとつ屋根の下で暮らすお姉さまってわけね?血縁関係なくて良かったね」
「それだけが唯一の救い、かな」
「隠し通せないってことは気持ち伝える覚悟出来てるってことだよね?」
「いやっ、そこまでは…!その、何ていうか……」
「は?何よ?何か問題でも?」
どうして俺の周りに居る女性は皆、直感型なのか。
もう少し慎重にするべきでは?
それに今は………
「はぁ!?喧嘩!?しかもあんたから!?ふざけてんの?何様!?」
仰る通りです、ハイ。
どう解決すべきか全く検討もつきません。
「あんたの分際で奈那さんに盾突くとか有り得ない」って言葉酷くないですか?
これでも俺、精一杯の強がりだったんだよ。
わかってほしかった。
「わかってほしかったとかキモいこと言わないでよ?男女の仲は絶対言葉足らずは上手くいかないからね?ちゃんと言葉にして伝えないと手遅れになることもあるんだよ…!」
すごい気迫…!!
何か、桜井さん格好良い!!
「うん……ありがとう!俺、ちゃんと謝る!」
昨日のこともそうだけど今朝勝手に一人で学校行っちゃったことも謝る!
許してくれるまで謝り倒す!