「冷たくしないで……それ一番こたえるっていうか」




「は?何それ……俺が悪いみたいじゃん」




「私が悪いなら謝る……ごめん」




ちゃんと意味わかって言ってんの?
それ、とりあえず謝っとけじゃね?
どうせ俺の独りよがりだろうよ。
謝るんならなかったことにするな。
泣きそうな顔して引き止めんな。
中途半端な優しさとかいらねぇから。




「何で謝るの?」




図書室でのこと?とは聞けずに呑み込んだ。




「ほら、その冷たい言い方〜!いつものヒロがいいよぉ…」




「いつもの俺って何?ヘラヘラして姉貴、姉貴って言ってればいいわけ?そろそろウザいんだけど」




「何もそんな言い方……」




「そもそも俺、なかったことになんか出来ないから…!」




「え……?」




「悪い、もう食ってすぐ寝たいからおやすみ」




顔も見ずにドアを閉めた。
デスクにおにぎり皿を置く。




嗚呼〜イライラする…!
ドカッとベットに座ったら
「おやすみ、ヒロ……明日学校一緒に行こう」と声がして隣の部屋に入っていった。




無神経にもほどがある。
はっきり言わなきゃ伝わんねぇのかよ。
図書室でのこと言ったつもりだけどちゃんとわかってんのかな?
あれ以上会話続ける自信なかった。
責めてしまいそうだし結局俺が傷ついて終わりだろうから。




図書室で俺の上に乗ってきた時の慣れた感じも……今となってはムカつく。
キスの持っていき方とか脱ぎ方も生々しい吐息も……全部慣れてた。




やっぱり……他の誰かと……!?
ああいうことしたのかな。
慣れてしまうくらい、何度も……?




今度こそ意識してくれんじゃないかってどこかで期待してたんだ。
今までと違う雰囲気になれるんじゃないか……
俺を男として見てくれんじゃないかって。
またとないチャンスだったのにな。




見えない、越えれそうにない一線。
俺はいつまでもがき苦しめばいいんだ……!?
終わりは、ないのかな………




この交わらない想いはいつまで……?




報いが来ないならいっそ嫌われたい………