触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜








あれから何度か2人で実家に帰省して、
冬が通り過ぎ……また春が来る。




今日は土曜日で休みだけど午前中、少し会社に顔を出して仕事を片付けた。
一度帰ってシャワーを浴びた直後。




またいつものように病院まで迎えに行こうとしていたのに。
歯磨きして髪を乾かしたら鍵の施錠の音がしてフリーズする。




ドアが開いた瞬間、本当に外の陽射しと重なって神々しく見えた姿。




え……!?リクルートスーツ!?
ヒールを鳴らして入って来た奈那。
ハーフアップスタイルでストレート。




「あ、ただいま」




フワッと柔らかく笑う奈那に何も言えないでいる俺。
今から着替えようとしててスエットパンツしか履いてない状態だし、思わず見惚れてて何から話していいか混乱していた。





「あれ?言ってなかったっけ?今日○○教授の講演会があって…遅番してちょっと仮眠取ってから出席したんだけど…」




「あ、夜勤じゃなかったか…」




そういやそんなこと言ってたような……
それ今日だったんだ?
帰りは昼過ぎだよって言ってたからあれ?って思ったけど、だったら会社寄れるな…くらいにしか考えてなかった。




その会話の前にきっと説明してくれてたんだよね。
俺、その日疲れてたのかな?
その辺抜けてて申し訳ない。




「うん、そうだよ?」って至近距離…!!
看護師モードの時のメイク、薄くて好き。
ジロジロ見ないで……うぅ。




俺の顔を覗き込んで押し迫って来る。
自然と後ろ足になってソファーまで……




「もしかして夜勤明けだと勘違いして迎えに行こうとしてた…?」




「う、うん……でもそれならそうで今日も迎えに行きたかった」




「え、だって会社行くって言ってたでしょ?こっち終わったの11時だからそのまま……車だから大丈夫だよ?」





奈那は俺の言ったこと覚えててくれたんだ?
なのに俺ってヤツは……





反省しつつ、チラッと首から下を見てしまう……ごめん。
スーツ姿とか……ヤバ過ぎんだろ。
何でそんなにそそるんだよ。




「ん…?今、いけないこと考えてるでしょ?」




「えっ…!?」




「あ〜あ、私……仕事の一環で為になる話を聴いて勉強してきたのになぁ〜」




そう言いながらジャケットのボタンを外す手つき。