奈那の隣はドキドキするけど心地良くて安心もする。
同じタイミングで笑ったりするの、何気に嬉しい。
コーヒーに入れる砂糖もミルクもその都度違ったりする面倒くさい俺の好みを分かってくれるのも本当はめちゃくちゃ嬉しい。
何も言わずテーブルにブラックコーヒーを置いてくれる。
「夜ふかしするんでしょ?」って今日もお見通し。
当てられてムカつくから手を伸ばして髪を撫でる。
「当たり」
ちょっとは意識しろ、バーカ。
でも結局耳まで真っ赤になるのは俺。
真っ直ぐな視線に耐えきれなくなるから。
しばらく笑いながら見ていたら
「もうそろそろ寝なさいよー」と涼子さん(義母)に言われた。
「はーい」と目線はテレビのまま奈那は答えてる。
呆れ顔の涼子さんに俺は「おやすみなさい」といつも通り言う。
目をこするから眠いんだと思って
「続き録画しといてやるから寝れば?」とリモコンを手に取る。
「ん〜、じゃあそうする」
って…!!
俺の膝まくらっ…!!
ソファーに寝ろって言ってんじゃねぇよ!
「いや、部屋で寝ろよ」
「ん……だってヒロ最後まで見てくでしょ?」
「俺は、ね?ていうか俺ヤダよ?重い姉貴抱えて部屋まで連れてくの」
「起こしてくれればいいじゃん…」
「起きた試しねぇじゃんか」
またいつものだ………
こうやって弄ばれてんだ俺は。
触れてるとこが熱くなる。
重いなんて全部ウソ。
スヤスヤと気持ち良さそうに寝てるそばで俺だけが悶々としてる。
Tシャツにスウェットってだけでもそそるんだよバカヤロウ!
ヤベ、テレビに全然集中出来ねぇ。
パーカーを脱ぎ、奈那に被せた。
目のやり場に困る。

