触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜






少しずつ増えていく俺の荷物。
一緒に買い物した日用品。
2つ並ぶ枕や歯ブラシ。
2人で食べるご飯。




「そろそろ行くね〜!戸締まり宜しく」




リップを塗り終えた奈那は急ぎ足で玄関へ。
昼から講義の俺は寝ぼけ眼でお見送り。
靴を履いたら振り返って髪を触られる。




「アハ、寝癖スゴいよ?シャワー浴びてから行きなね?」




「うん、気をつけてね」




「はーい、行ってきます」




もうすでに仕事モードの朝の奈那は完璧に仕上がっていて眩しいくらい女神だ。
チュッと行ってらっしゃいのキス。
絶対外せない日課のひとつ。
俺たちのモーニングルーティーンだ。




バルコニーへ出て、駐車場から出て行く奈那の車を見えなくなるまで見送った。
どんなに忙しくてもちゃんと朝食は作ってくれてる。
日勤の時はこんな感じ。




夜勤の時は俺が作る。
少しだけど奈那に料理も教わったし、今じゃ動画見ながらいくつか出来るようになったんだ。




講義がなければそのまま病院に迎えに行くことも。
奈那が働く病院のすぐ隣に広い公園があって、いつもそこで待ち合わせ。
雨が降れば近くの喫茶店とかで待ってるんだけど。




夜勤明けは必ず帰りは俺が運転してあげる。




「お疲れさま」と髪を撫でれば抱きついて甘えてきてくれる奈那が心底愛おしいんだ。
地下の駐車場で誰も居なければ思わずキスしてしまう。




でもこの日はそれを止められた。
久しぶりの寸止めだ……
嫌じゃないけどおあずけは悲しい。




「この前キスしてるとこ思いきり見られてたみたい」




「えっ!?」




病院関係者にっ!?
ウソッ!?マジ!?うわ、どうしよう…!
咄嗟に身体を離す。




「ご、ごめんね?軽率でした…」




ヤバい、動揺隠せない。
そんな俺を見てクスクス笑ってんだから。




「ウッソ〜!冗談だよ、びっくりした?」




え、ウソ!?本当に!?




「で、でもこれからは自重…します」




キーを挿してエンジンをかけようとしたら助手席から奈那が乗り上げてきて俺の手を握りキーを戻す。
え、どうしたの?と見たらもう唇が重なっていた。