「瑛莉、もうあがるよ〜!」




「わ、わかった…!」




バスタオル広げて準備OK!!
小さなバスタブで沐浴。
奈那が慣れた手つきで瑛莉ちゃんを洗ってあげてる。
それを受け取り服を着せるまでが俺の役目。




「おへそ、気をつけてね」




「う、うん…」




小さい……小さ過ぎるよ。
でも命の重みはあって、尊い。
力加減とかよくわかんなくてアタフタするけどちゃんと伝わってんのかな。
最近、瑛莉ちゃんはよく笑ってくれる。




「祐翔くんも奈那もありがとね〜本当助かる」




着替え終えた瑛莉ちゃんを抱きかかえる涼子さんは穏やかな顔をしている。
テキパキと動く奈那も
「ヒロお疲れ」と笑顔を向けてくれるからどっちも女神だ…と思う今日この頃。




「あ、でも2人は良い練習になってるよね?今後の未来の為の…」




なんて、涼子さんがイジってくる。
勿論、親父は仕事で居ないが。
真っ赤になる俺を見て2人で笑うんだ。
そ、そうだよ……
少なからず自分もそう思ってた。
いつかは2人の子供を……って。




「はい、ちょっと抱いてみて」と俺に瑛莉ちゃんを抱かせてくる。
ちょ、まだ慣れてないのに。
「奈那こっち来て」と2人並ばせる。
少しずつ声を出して笑う瑛莉ちゃんに癒やされていたら。




「こう見ると簡単に想像出来ちゃうね?2人共良い夫婦になれるよ」




涼子さんの言葉に顔を見合わせる。
よし、そのまま写真撮ろうと携帯を向けられた。
普通に面白がられてるだけだけど俺たちだって意識はしている。




「今は姉弟妹だけど、いつかは…ね」




撮った写真を確認しながら笑う。




「あ、あとちなみになんだけど…聡志パパにはヒロのタイミングでカミングアウトすることになったから」と涼子さんに報告。




「そっか、じゃあ祐翔くん責任重大だね?」




「ま、まぁ……早くなるか、遅くなるかは全然検討もつかないけど…ちゃんと言います」




「ふーん……私はバレる方が早いと思うけどな〜」




「えっ!?」




「やっぱそう思う?」




奈那までっ!?




「だって祐翔くん、めちゃくちゃ顔に出るもんな〜わかりやす過ぎ、アハハ」




涼子さんにも言われてしまうとは……
相当ってことなんだよな。