「ご、ごめん……」




結局謝るというオチ……変わんねぇな、俺。




「次やったらどうなるかわかってる?」




ドスの効いた声っ…!!
え、今のでキレるの!?
そんなに嫌だったの!?
そっちの方がよっぽどショック。




グワッと胸ぐら掴まれて身構えてしまったけど顔が近付いてきたからキスだと思った………ら、案の定で激しめのやつキターーー!!




頬から後頭部をホールドされて身動き出来ないほど深く入ってくる。
ヤバい……人来ちゃうよ……
もしくは見られてるかも……
ギブ……ギブアップ……!!
それ以上は歯止め効かなくなる……!!
リップ音だって漏れてるよ……!!




ホールドしてる腕にトントンしたらやっと唇が離れたけど……至近距離であの瞳のまま。




「次やったらこうなるから……わかった?」




コクリコクリと頷くしかなかった。
ここで本気のキスとか……大胆過ぎ。




かなりのSっぷり……と思いきや、またまた腕を絡めてきてニャンニャンしてくる。
わ、わからない……その差って何!?
ギャップというより二面性!?




付き合った彼女が……二重人格!?
まさか……俺はこれから奴隷のような生活を虐げられるんじゃ…!?
奈那が女王様………




両手両足縛られて吊るされ、ムチでしごかれて……今みたいな顔で言われるんだ。




「私に従わないとこうなるのよ?」って……




違う違う…!!
脳内の妄想を掻き消すかのように首を振る。
一瞬、有り得ない世界に飛んでしまっていた。
良かった、戻って来られて。




奈那の際どい女王様姿は何気に似合ってたけど……
ヤバっ!妄想の中でコスプレさせてた。
いかん、いかん…!!




目の保養をしようも隣を見ると、小さく欠伸して目をこすってる。




「ヒロ…ちょっと寝るね?」




「うん……着いたら起こす」




な、なんて可愛いんだ…!
コスプレさせてごめん。
俺の肩に頭を乗せてスヤスヤと眠る奈那。
何だよこれ……幸せ過ぎんだろ。
そっと肩に手を回し抱き寄せた。




右側だけに与えられた体温が心を浄化していく。
ずっとずっといつまでも、隣でこうしていたい。
この役目だけは誰にも譲れない。
奈那が心を預けてひと休み出来る相手は俺だけだ。




俺だけなんだ!!