「えっ?え?え?」って奈那も涼子さんもびっくりしてたけど勢いよく出たもんだから引き返せない。
「ごめん、生理だから早めに帰る」と本人が補足説明していた。
親父にも会いたいとか言ってたけど帰って来るの待ってられっか。
玄関出たところで首を傾げられても俺もどうしちゃったのかわからない。
とりあえず早く休んで欲しくて……
「もしかして、執事になろうとしてる?」
「あ、いや……」
前に言われたこと忘れてたわけじゃないけど、結局執事って何をすれば執事なのかよくわかってなくて焦ってる。
またクスクス笑われた。
「無理しちゃって…」
「無理はしてない…!無理してるのはそっちだろ?」
「だから大丈夫だってば…薬効いてきてるし」
「本当…?お腹痛くない?」
「うん、でも今日はヒロの言う通り大人しくしてるね?」
「うん……」
手を握り行こうとしたら動いてくれない。
そのまま引き寄せられて「キスもダメなの?」って顔が近い。
だ、だから生理中はどうしたらいいかわかんないんだよ……
「止まんなくなりそうだから……」
「だからしないの…?ちゃんと待てるんでしょ…?」
「う、うん……」
「全部お預けにしないで……」
そう言うと奈那の方からキスしてくれた。
優しく啄むキスから深く絡み合う。
ズルいよ……こんな、全部持っていくキス。
でも俺が崩壊しないように短め。
胸の中に顔を埋めてしばし抱きしめ合っていた。
次は待ちに待った大学祭。
それまでは頑張る。
この温もりを忘れずにちゃんと待つから。
だからその時は思いきり甘えさせて…?
「来週は覚悟しててね」ってクシャッと笑う。
てことは2人きりにはなれるのかな…なんて良からぬ期待をしてしまいそう。
ニヤけてたらそっと手が伸びて唇に触れてきた。
「本当、覚悟してて?」
その手は首の後ろに回る。
密着した身体を支えたらどちらからともなく再び触れ合った。
言った後の色っぽい視線……いつもヤバい。
久しぶりのキスもかなりヤバいです。

